遊園地とそこを舞台に働く人々が主人公の本です。 私はこの公園の場所は(今も駅名が残っていますが)小田急線の向ヶ丘遊園ではないかと想像して読みました。 筆者は真保裕一さん。 江戸川乱歩賞も受賞した方です。 この本の主人公の一人は、顔に傷がある若者です。 着ぐるみを被れば、傷を隠せる。 そう思って面接に臨みましたが、 最終的に「魔女」と呼ばれるベテランからインフォメーションセンターに抜擢され配属します。 この「傷を負った若者」と「魔女」を中心に物語は展開していきます。 著者お得意のサスペンス物語も随所に登場してきます。 私は遊園地で働いたことはありませんが、きっとこんな感じなんだろうなと、リアリティ感を持って読み続けることができます。 働いている人は、「愛・夢・情熱」を持つ、この場が大好きで働いています。 しかし、楽しいだけでは、ここは「ぬるま湯」。チャレンジしてこそ人生。と言っています。 時には未来に向かっていく若者の、退職の背中を押すことさえあります。 この本の最後は、以下の文章で終わっています。 「どこに出しても恥ずかしくない、最高に素敵な笑顔だった。」 このパークの評価基準は「スマイル」です。 それは、仕事によっては「正確に行うこと」「早く行うこと」といった評価基準が思いつきますが、もっと抽象化された表現です。 でも、そこにいる人たちは、それですべてを理解されています。 きっと、こういうことを「文化」と言うのでしょうね。 今回、遊園地とそこで働く人達の「再生」がキーワードのなります。 楽しい小説です、是非、一読ください。
日々の生活の中で行っていること やってみたいこと など書いています。 中心はビジネス書などの感想です。 IT業界に長く在籍しています。 20年以上 その中で気づいたことを書いています。 ほかには、、 年齢と共に「通院」関係、「ランチ」メモなどを。 特化はせずに、日々の暮らしで気になり、誰かに有効になるようなコンテンツを目指しています。 @yominamino